売れる商品と売れない商品の違いと特徴 売れない商品を売れる商品にする方法

店舗集客の基礎知識

「売れる商品って、どうすれば思いつくんだろう?」
「うちも品質には自信があるんだけど、上手くいかないのはなぜ?」

売れる商品と売れない商品の違いとは何でしょうか

もちろん広告や営業努力をすることで、売れない商品をある程度売ることは可能かもしれません。
しかし、そもそも商品自体に魅力がなければ、それらの努力はとても辛いものになってしまいますよね。

今回のテーマは、商品ありきでどうやって売るかのセールス手法ではありません。
むしろその前段階、「魅力的な商品を生み出すには?」といった『売れる商品の秘密』について、一冊の本から知恵をいただきながら解き明かしていきます。

この記事はこんな方におすすめ
  • 売れる商品を生み出したい
  • 売れない商品やメニューを改良しようとお悩みの方
*今回の参考書籍*


それ、なんで流行ってるの? 隠れたニーズを見つけるインサイト思考
原田曜平 著(ディスカヴァー携書)

*著者紹介*

流行語「さとり世代」「マイルドヤンキー」生みの親。
博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー。
日々様々なトレンドや現象を若者たちと一緒にリサーチし、それを基に新しい商品や広告・アイデアを開発している。
著書「さとり世代 盗んだバイクで走り出さない若者たち」
他多数。

売れる商品にあって、売れない商品にないもの


売れる商品、ヒットするものには必ず「ある要素」が含まれていると著者はいいます。

その「ある要素」とは…?
人々の口から思わず出てしまう言葉、それはずばり、

『そう、それ!』

売れる商品は、人々に『そう、それ!』と言わしめる何かを持っています。
それは人々が言いたかったけれど口から出てこなかった言葉を言い当てること、に似ているかもしれません。

商売を営んでいる方は、そもそも「売りたいもの」つまり既存商品やサービスを既にお持ちのことでしょう。
その「売りたいもの」とお客さん側の「欲しいもの」が万一ズレていた場合、『そう、それ!』は残念ですが出てこないのです。

事例①インスタ映えビール

『そう、それ!』だよと言われても、なかなかピンと来ないよ

確かにこれだけだと意味不明になってしまいますので、事例を2点ご紹介します。
1つ目は、インスタ映えビール
「インスタ映え」ということで当然ながら、若者層に支持された事例になります。

若者にビール?あまり結びつかないんじゃ…?

そうです、若者層のビール離れはよく知られたところ。
現代の味覚はどういうわけか変化していて、男子でもビールのことを苦くて美味しいと思わない人が増えているのだとか。

では何故インスタ映えビールがヒットしたのか。
その秘密はビールの「味」ではなく、「ビジュアル」にありました。

若者たちはオクトーバーフェストなどのビールイベントが大好きです。(中略)
彼らが求めているのはズバリ、「インスタ映え」するビールの写真。
ビールフェスで提供される見た目に派手でオシャレなジョッキ、リア充を気取れる非日常的な雰囲気は、「ビールは苦いから苦手」を楽に乗り越えるのです。(書籍より引用)

ビールの味はそっちのけ、ビジュアルや非日常感が若者の『そう、それ!』を掴んだというわけですね。

事例②うんこ漢字ドリル

2つ目の事例は、うんこ漢字ドリル
2017年10月時点で、販売累計270万部以上のスーパーヒット漢字ドリルです。

個人的にはなかなか、発言がはばかられる言葉 →うんこ。
ですが子供達、特に小学生男子がこの言葉に大ウケするのは昔から不変の事実。

このドリル、全ての例文に「うんこ」の語句を散りばめるという圧倒的特徴があります。
「漢字ドリルにうんこって…ちょっとそれはマズいでしょ」
というこれまでの常識を見事に打ち破ったスタイルなのです!

ヒットの背景には、パパママ世代の意識の変化があると著者はいいます。

団塊ジュニア近辺の世代の意見は、幼い頃から親に眉をひそめられながら品のない漫画やテレビ番組に親しんできたため、上の世代に比べれば頭が柔らかい。
「勉強」に「うんこ」が入ってくることにも寛容なのです。(書籍より引用)

きっと親子で「あはは!そう、それ!意外と合うじゃないか」とドリルを手に取られたに違いありません。

売れる「そう、それ!」=インサイトとは


ここで、売れる人気商品が持つ『そう、それ!』の正体について解説します。
これはマーケティング用語で『インサイト』と呼ばれる概念です。

おいおい、分かりづらい用語が出てきたよ

確かにインサイトでは分かりづらいので、著者は『そう、それ!』と翻訳しています。
インサイトを直訳すると「洞察」ですが、それではよく分かりません。

インサイトを違う表現に置き換えると?
  • 消費者の心のツボ
  • 消費者の潜在ニーズ
  • 見えない欲望

インサイトの大きな特徴は、潜在的であること
何しろ本人もまだ気付いていない欲望なのですから、それを他者が拾い出すのはとても難しいことです。
だからこそ、「洞察」しなければなりません。

沢山のお客様に買っていただく商品を生み出すカギは、このインサイトをつくこと。
「そう、それ!実はこういうの欲しかったんだよね♪」
この言葉を引き出さなければならないのです。

今までになく斬新である必要はない

お客様の見えない欲望を満たす、と言われると、何かすごい発明品のようなものを想像してしまうかもしれません。
しかし、必ずしも今までになく斬新である必要はありません

  • 使い勝手が改良されたもの
  • かゆい所に手が届くもの
  • 顧客の意見が反映されているもの

このように、これまでの商品を活かして改良する形でもOK。
『そう、それ!』を引き出すことは充分に可能といえるでしょう。

どうすれば「そう、それ!」にめぐり会えるか


ではどうすれば『そう、それ!』にめぐり会えるのでしょうか。

その答えは、あくまでも泥臭いリサーチに他なりません。
本人も気付いていない「欲しいもの」をあぶり出す、地道なリサーチです。

繰り返しになりますが、インサイトとはまだ見えていない、潜在的なもの。
天才でもない限り、簡単に見つけるのはなかなか難しいのです。

具体的には、自店のお客さんとのコミュニケーションやアンケートなどが考えられます。
常連として来店していただいているファン客には是非リサーチしたいものです。

ところでリサーチの過程で是非注意していただきたい点があります。
それはずばり、先入観を取り払うこと。

例えば先程の事例で言うと、

  • 若者はビールの味がダメだから、若者に売り込むのはムリでしょ?
  • 漢字ドリルは教育教材だから、下ネタはもちろんNG。

などが先入観に当てはまるのではないでしょうか。

また、たとえあなたが先入観を取り払う努力をしていたとしても、それを周りが許さない状況だってあり得ますよね。

「過去の実績がない。」
「エビデンスは?根拠は?」

周囲が一斉につぶしにかかってきます。
先入観やこのような同調圧力・既成概念を取り払って、まっさらな状態から仮説を立てる

こうすることで初めて、本物のインサイトを探り出すことができるはずです。
まるで初めての国に来たような、まっさらな気持ちで取り組んでみましょう!

インサイトを引き出す方法


インサイトを引き出すには、あくまでも泥臭いリサーチが必要。
とは言いましても、コツがあるなら押さえておきたいですよね。

ここではインサイトを引き出すための、効果的なリサーチ方法を2点ご紹介します。

方法①ビーンボール法

ビーンボールとは野球用語で危険球のこと。
人から話を聞く時に、あえて危険球をぶつけて本音をあぶり出す手法です。

つまり感情に揺さぶりをかけるというわけですね。
これは著者が親しくしているお笑い芸人ウーマンラッシュアワー村本さんの得意ワザだとか。

◆ ◆ ◆
例えば村本さんと同じ番組に出演していた女性が、番組を辞めることになった時のこと。
送別会はつつがなく進み、女性本人の挨拶もあたり障りなく終わろうとしていました。
すると村本さんはこう切り出したのです。

「そういう表面的なの、やめようよ。
現場から離れてもずっとこの番組を見ますって君はさっき言ってたけど、それ嘘でしょ?
どうせだから、番組への不満をここで吐き出してから終わらせてよ!」

すると女性は泣き出し、思い入れの強かった番組を一方的な通告で辞めざるを得なくなった悔しさを告白したのです。
◆ ◆ ◆

ちょっと女性にはかわいそうな気もしますが。。

村本さんはもともと、場の空気を誰よりも読めるお人柄。
しかし、だからこそギリギリのラインを攻めることができるのかもしれません。
危険球なだけに少し難易度が高い方法と言えるでしょう。

方法②ラポール形成法

ラポール形成とは「相手の警戒心を取り払って信頼してもらう」といった意味合いです。
これは一般のインタビューで最も大切と言われていること。

人から話を聞く時の基本形と言えるかもしれませんね。

ラポール形成法の具体的ポイント
  1. その場に来るなり腰を低くする
  2. 用意した質問を順に聞くのはNG
    →「聞き出したい感」で警戒される
  3. 趣味やスポーツ、好きな芸能人など色々な球を投げる
  4. 帰ってきた答えはなるべく褒めて肯定する
  5. ある程度打ち解けて来たら、無邪気に本題を投げる
  6. 抵抗感を示されたら、自分の話をする
  7. 本題はインタビューの前半に入れ込むと、その後のハードルが下がる

インタビューという形に限らず、普段のコミュニケーションでも役に立ちそうなことばかりですね!

インサイトを見つけるために必要な力


人の話からインサイトを見つけるために、聞き手として持っておきたい力があります。

インサイトを見つけるために必要な力
  1. 違和感力
  2. 作家力
  3. 超受容力
  4. 記憶する意思

作家力?作家の才能なんて1ミリも無いですけどー

ご安心下さい、これらの能力は日々の訓練によって磨くことができます!
では一つずつ解説していきますね。

①違和感力

違和感力とは、「疑う力」と言いかえることができます。
目の前の光景や、人の発言から違和感を感じとる力です。

なぜ違和感力が必要かというと、それは他でもありません。
人は思いっきりウソをつく生き物だからです!

見栄をはるために意図的にウソをついたり。
また「自分という人間はこうあるべき」という思いで無意識にウソをついたり。

見たまま聞いたままを額面どおりに受け取るのではなく、「あれ?」という違和感を大切に。
人を疑うというと一見聞こえが悪いですが、実はビジネスシーンの必要スキルだったりします。

人の言動の裏を読み、その背景に思いを馳せる訓練をしてみて下さい。

②作家力

作家力と言われると気後れしてしまいそうですが、これは「直感力」のことです。

実は日本の会社組織では、この作家力を排除しようとする傾向があるようです。
継続的な売り上げを求める会社の立場を考えると、直感よりもデータを重視するのは仕方ないことかもしれません。

アンケートやヒアリングに基づくデータももちろん大切。
ですが先にお伝えした通り、人はアンケートでもウソをついています。

データに基づき説明されても本能的に納得できないという、動物的な感覚はどこまでも持ち続けなければなりません。
そのためには日頃から感性を磨くよう、心がけることが大切です。

③超受容力

超受容力とは、自分と全く異なる価値観を受け入れる力のことです。

例えば親子ほど歳の離れた2人の価値観の違い、と考えれば分かりやすいですね!
しかしこの違いを受け入れるのは簡単なようで、かなり難しいものです。

人から話を聞いた時、すぐに自分のものさしで抵抗や反論をしない。
そしてその価値観を検証してみたり、背景に思いを巡らせてみる

このように多様な価値観を受け入れる習慣をつけていきましょう。

④記憶する意思

最後の4つ目は、記憶する意思です。

人は意思を持って覚えようとすると記憶に留めることができ、反対に意識しなかったことは簡単にスルーしてしまいます。

会話の中に「お!?」というエッセンスがあった気がしたものの、いざ終わってみると何も残っていない、では悲しいですよね。

特に人は話が脱線した時にこそ、うっかり本音を出してしまうもの。
そこに垣間見えるインサイトをしっかり記憶に留めておきましょう

まとめ


今回はインサイトという少し難しい概念を中心に、お伝えしてきました。
改めて今回の内容をQ&A方式でまとめておきます。

Q:売れる商品と売れない商品の違いは?
A:売れる商品には『そう、それ!』と言わしめる何かがある。

Q:『そう、それ!』とは?
A:インサイト=見えない欲望のこと。
人の心の奥深くに隠れているが、あるきっかけで顕在化する。

Q:どうすれば『そう、それ!』にめぐり会えるか?
A:あくまでも地道なリサーチ。先入観を取り払うこと。
今回は効果的なリサーチ方法を2点ご紹介しました。

Q:インサイトを見つけるために必要な力とは?

  1. 違和感力
  2. 作家力
  3. 超受容力
  4. 記憶する意思

売れる商品を生み出すにはどうも、超高感度のアンテナが必要のようですね。
『超敏感力』とでも言いましょうか。

そして周囲の意見を地道に聞くことが大切、ということが分かりました。
しかしこれ、簡単なようで実はなかなかできるものではありませんよね。

まずは先入観を取り払ってみること。
そして勇気を出して、さりげなく意見を聞いてみる。
ここからスタートしてみてはいかがでしょうか。


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